第48号 昇給や降給したらする社会保険の手続き

世間では4月の給与から昇給する会社が多いですが、このように給与が変動した時には、忘れてはならないのが標準報酬月額の見直しです。今までのままにしておくと、給与の額に見合わない保険料が徴収され続けることになります。今回は、標準報酬月額の変更手続きについて解説しますね。

随時改定

冒頭でお話ししたような昇給や降給などで、標準報酬月額を改定する手続きを「随時改定」と言います。 通常は年に一度の定時決定で決定もしくは改定されますが、報酬が昇給または降給により著しく変動したときは、次の定時決定を待たずに標準報酬月額が改定されます。 随時改定は次のいづれも満たした場合に行われますので、チェックしてみてください。

  1. 固定賃金に変動があった。または給与体系の変更があった。
  2. 変動があった月から継続して3か月間の報酬支払基礎日数がいづれも17日以上ある。
  3. 昇給または降給によって算定した額による標準報酬月額(3か月の平均)の等級と現在の等級との間に、原則として2等級以上の差を生じた。

標準報酬月額の改定は、4か月目からとなり、1月~6月の改定の場合はその年の8月まで、7月~12月の改定の場合は翌年の8月まで適用されます。 定時決定の対象から除外される要件として、7月に随時改定が行われる方、8月または9月に随時改定が行われる予定の方、というものがあります。 したがって、これに該当する方の場合、算定基礎届に「7月月変」とか「8月月変予定」というように記載して、定時決定は行わなわず随時改定を行うのが正しい処理になります。(もし、月変予定として算定基礎届を出したものの、結果として随時改定の対象とならなかった場合には、算定基礎届の訂正を行うことになります)

固定的賃金とは
月単位などで継続して支給される一定額の給与や手当のことをいいます。

【固定賃金】 
基本給、役職手当、家族手当、通勤手当など

【非固定賃金】
残業手当、宿日直手当、精皆勤手当など

継続した3か月とは
社員が現に使用されている会社で、給与(報酬)の支払基礎日数が17日以上の月が3か月間継続していることが必要です。月給制の場合は暦日数で17日以上、日給・時給の場合は実際の出勤日数で17日以上あることが必要。
2等級以上の差とは
標準報酬月額には上限・下限があるため、大幅に報酬が変わっても2等級の差が出ないこともあります。しかし固定賃金の変動月以後引き続く3か月間の平均給与額の標準報酬月額により、随時改定の対象になる場合があります。

※3か月の平均給与額には残業手当などの非固定賃金も含まれますので、固定賃金の変動が少なくても随時改定の対象になるケースがあります。

育児休業等を終了した時の改定について

育児休業終了時に報酬が下がった場合は、随時改定に該当しなくても標準報酬月額が改定されることになっています。
これにより、被保険者は育児休業終了後も保険料の負担が軽く済むようになったのです。

育児休業終了時の標準報酬月額改定と随時改定の違い
「休業が終了した翌日が属する月」から「休業が終了した翌日から2月経過した日が属する月」の平均給与額で標準報酬月額を算出し、その翌月より摘要されます。

● 2等級以上の差が無くても改定される

● 報酬支払の基礎となった日数が17日未満の月がある場合は、その月を除いて算定する

標準報酬月額の変更手続きの実際

▼どこに申告するの?
 年金事務所(健康保険組合、厚生年金基金)

▼ いつまでに申告すればいいの?
 変動月以降3か月経過後、すみやかに

▼用意する書類などは?
 □ 健康保険・厚生年金保険 被保険者朋友月額変更届

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