給与計算のしごと

第49号 年に1回する標準報酬月額の見直し【定時決定】

column社員が受ける給与は、昇給や降給、残業などによって毎月少しずつ変動しますよね。社会保険では事務作業の効率化を図って、4月・5月・6月の給与をベースにして年1回すべての被保険者について標準報酬月額の見直しを行うことになっているんです。これを定時決定と言いますが、今回は、定時決定の手続きについて解説しますね。

 


定時決定の対象となる人ならない人

マーク 対象となる人とは

 7月1日現在、被保険者の人
 (休職者や海外勤務者、7月、8月に退職予定の人も7月1日に在籍していれば対象となります。)

マーク 対象にならない人とは

 ■ 6月1日から7月1日までに被保険者資格を取得した人
   (この人は、入社時に決定した標準報酬月額を、変更が無い限り翌年の定時決定まで使います)

 ■ 6月30日までに退職した人

 ■ 随時改定または育児休業等を終了した時の改定により、7月~9月の間に
   標準報酬月額の変更が予定されている人

   (4月、5月、6月に固定的賃金の変動(昇給や降給)があった人のことです)

定時決定の事務作業(計算)のポイント

4~6月の給与の平均を計算して、これを標準報酬月額の等級に当てはめて新しい標準報酬月額を社員ごとに決定します。ただし、給与の支払いの基礎となった日数が17日未満の月は通常支払う給与額と異なるため除外して計算します。

マーク 4~6月の社員毎の給与(報酬)の平均額を求めます

給与に含まれるものとしては、社員に支給したもの全てとなり、金銭により支給したものの他にも、現物により支給したものも含まれますので注意してください。

● 金銭により支給したものとは
  基本給、残業手当、家族手当、通勤手当、年4回以上支払った賞与など

● 現物により支給したものとは
  食事、衣類、住宅、通勤定期券など

マーク 賞与を年に4回以上支払っている場合

7月1日前の1年間に支払った賞与の総額の12分の1を4~6月の給与に加算して標準報酬月額を計算します。

マーク 通勤定期券を現物支給している場合

通勤定期券の各月該当分を4~6月の給与にそれぞれ加算して標準報酬月額を計算します。
例えば、6か月定期券(76,800円)を現物支給した場合は、6分の1(12,800円)×3か月分を加算して計算。

マーク 給与の支払いの基礎となった日数が17日未満の月がある場合

17日未満の月は非該当として計算上除きます。3か月とも非該当の場合は、年金事務所(健康保険組合、厚生年金基金)が算定して決定します。

事例1
上記の例では、5月の報酬支払基礎日数が17日未満なので、5月が除外して4月と6月の2か月間に受けた報酬の総額を2で除して得た額をベースとします。

マーク 5月1日以後に入社した社員の場合

6月1日~7月1日までに被保険者資格を取得した社員は定時決定の対象外ですが、5月入社の社員の場合は、定時決定の対象になります。この場合、4月の報酬がありませんので5月、6月の2か月間に受けた報酬の総額を2で除して得た額をベースとします。

事例2

※給与(報酬)支払基礎日数とは

月給制の場合は暦日数となります(4月:30日、5月:31日、6月:30日。ただし、月給制で前月分を翌月に支払っている場合は、歴日数は4月:31日、5月:30日、6月:31日となります) 日給制の場合は、実際に出勤した日数です。

定時決定の手続きの実際

▼どこに申告するの?
 年金事務所(健康保険組合、厚生年金基金)

▼ いつまでに申告すればいいの?
 7月1日~7月10日

▼用意する書類などは?
 □ 健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届

 ※賃金台帳や源泉税の納付書などの給与支払の事実を証明する書類の提示を求められる場合もあります。
  通常は該当3か月分の賃金台帳を提示すれば良いのですが、1年分の提示を求められる場合もありますので、
  事前に提出しょる胃の詳細を確認しておくと良いでしょう。

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